偽情報対策技術
『WebDB夏のワークショップ2025』において,オーガナイズドセッション「偽情報対策技術」を併催いたします.
近年,SNSやウェブ上でフェイクニュースを含む偽・誤情報の拡散が社会問題となっています.特に,LLMをはじめとする生成AIサービスが急速に普及したことで,AI生成コンテンツが偽情報として拡散されてしまうリスクへの対策は急務です.海外においても,LLMによる偽情報の予防と検出に焦点をあてたワークショップ(参考1)をはじめ,複数のイベントが企画・開催されており(参考2~4),偽情報対策技術への関心はますます高まっています.
本オーガナイズドセッションでは,偽情報対策に関する最新の研究や取り組みを共有し,議論を深めることを目指します. 対象となるトピックは以下の通りです(ただし,これらに限定されません).
- 偽・誤情報の予防(生成AIガードレール,透かし技術など)
- 偽・誤情報の検出(LLM幻覚検出,ディープフェイクの検出,偽情報拡散の分析手法,画像・映像やテキストなどを含むマルチモーダルな意味解析など)
- 偽・誤情報の影響を軽減するUI/UX(偽・誤情報対策のための人間とAIの協働アプローチ,人間の認知に配慮したファクトチェック結果表示UIなど)
キーワード:偽情報,誤情報,フェイクニュース,LLM幻覚検出,ディープフェイク,ソーシャルメディア分析,マルチメディア認識,意味解析,透かし技術,生成AIガードレール,AI倫理,ファクトチェックUI
- 参考1: AAAI 2025 Workshop on Preventing and Detecting LLM Misinformation- (https://aaai2025-llm-misinformation.github.io/)
- 参考2: Cambridge Disinformation Summit (2025)(https://www.jbs.cam.ac.uk/events/cambridge-disinformation-summit-2025/)
- 参考3: Disinfo2025(https://www.disinfo.eu/conference/)
- 参考4: The Eighth FEVER Workshop(https://fever.ai/workshop.html)
プログラム
セッション4A「偽情報対策技術」一般発表
日時:9月17日(水) 9:15 - 10:30
会場:会場A(21会議室)
講演タイトル | ||
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9:15-9:40 | 4A-1:SNS投稿内容の自動ファクトチェックのためのマルチモーダルLLMを用いた災害種別判定手法の検討 | ◎奥村 泰久,大木 憲二,北島 信哉(富士通) |
9:40-10:05 | 4A-2:短文投稿の真偽判定に向けたコンテキスト制御型情報補完手法 | ◎矢崎 孝一,渡邉 祐太,北島 信哉(富士通) |
10:05-10:30 | 4A-3:モダリティごとの類似度判定を用いた偽情報検出手法の検討 | ◎西間木 哲,岡 達也,矢嶋 純,中山 貴祥,小牧 大治郎(富士通) |
発表者の前の○印は学生発表,◎印は一般発表を示します.
セッション5A「偽情報対策技術」招待講演
日時:9月17日(水) 10:45 - 12:00
会場:会場A(21会議室)
講演タイトル | 講師 | |
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10:45-11:20 | デジタル時代の誤情報対策:人間中心設計の重要性 | 田中 優子(名古屋工業大学 教授) |
11:20-11:55 | フェイクニュース拡散のメカニズムと対策:計算社会科学の観点から | 笹原 和俊(東京科学大学 教授) |
「偽情報対策技術」招待講演
デジタル時代の誤情報対策:人間中心設計の重要性
講師
田中 優子(名古屋工業大学 教授)
概要
人は誤情報を容易に信じる一方で,一度受け入れた誤情報を訂正することは困難である.この背後には認知バイアスなどの複雑な心理メカニズムが存在する.誤情報問題への効果的な対策を考える上で,人とデジタル環境の相互作用におけるヒューマンファクターの理解が不可欠である.人を対象とした誤情報への対策として「デバンク」が提唱されているが,クリック行動における「選択的回避」などの現象が訂正効果を制限している.本講演では,誤情報に関わる人間の認知的特徴を整理し,既存対策の課題と今後の展望について議論する.
フェイクニュース拡散のメカニズムと対策:計算社会科学の観点から
講師
笹原 和俊(東京科学大学 教授)
概要
近年,SNSを介したフェイクニュースの拡散は,社会的分断を助長し,民主主義の根幹を脅かす深刻な課題となっている.本講演では,計算社会科学の観点から,フェイクニュースがなぜ,どのようにネット上で拡散するのかを,具体的事例を交えて明らかにする.さらに,情報拡散ネットワークの分析,社会シミュレーション,オンライン実験といった多様な方法論に基づき,効果的な対策や介入の可能性を検討する.最後に,レジリエントな情報環境の構築に向けた課題と展望を論じる.
スケジュール
- 申込締切
-
2025年7月11日(金)
※発表申込み数が予定件数を上回る場合は先着順となります. - 原稿締切
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2025年8月初旬
※DBS研究会の締切に準じます.
※締切を過ぎるとシステムに投稿できなくなります.その場合原稿未着として発表キャンセルとなりますのでご注意ください. - 開催日程
- 2025年9月16日(火)~18日(木)
論文誌への推薦
オーガナイズドセッションで発表された論文に関しても論文誌への推薦対象となります.発表された論文のうち優秀なものを,以下の論文誌に研究会推薦論文として推薦いたします(※1).
※1 推薦された論文は論文誌への投稿後,それぞれの編集委員会による査読の審査があります.推薦論文は,論文誌への採択を約束するものではありませんのでご注意ください.
発表申込方法
発表申込み,原稿の提出は以下のDBS研究会の投稿システムで行っていただきます.
ご登録の際には「研究会への連絡事項」欄に以下の内容を必ずご記入ください.
- 「オーガナイズドセッション「偽情報対策技術」への発表申込み」とご記入ください.
- 発表者が「学生(社会人学生を除く)」か「一般」かをご記入ください.
発表申込について
- 受付は先着順で行い,発表申込数が予定件数を上回った場合,希望された方は合同研究発表会側の一般発表にまわっていただくようお願いする場合がございます.ただし,合同研究発表会側の発表件数に空きがある場合に限ります.
- 発表申込みの受理ないし合同研究発表会側の一般発表への移動の依頼は発表申込みの締切後に行います.申込み時点では発表が確約されませんのでご注意ください.
- 発表申込後,原稿提出締切までに原稿が到着しない場合には発表を取り消させていただくことになりますのでご注意ください.
- 原稿提出締切後の原稿差替えはできません.提出されたPDFファイルが破損しているなど,原稿が確認できない場合は原稿未着扱いとなりますのでご注意ください.
研究報告について
研究報告は研究会開催初日一週間前に公開されます.特許出願等の際はご留意ください.
原稿作成方法
原稿は6ページ以下で作成してください.
- DBS:情報処理学会の「研究報告原稿作成について」のページをご覧ください.
参加費
DBS/IFAT研究会に準拠いたします.
-
DBS/IFAT:参加者種別や発表件数によって参加費の額が変わります.また,DBSあるいはIFAT研究会に参加の方については,合同研究会参加費はIFAT研究会に準拠いたします.
お問合せ先
お問合せは sasaki.yuki-01<AT>fujitsu.com
,kitajima.shinya<AT>fujitsu.com
,yamamoto<AT>ds.nagoya-cu.ac.jp
へお願いいたします(<AT> を @ に置き換えてください).
- 佐々木佑樹,北島信哉(富士通),山本 祐輔(名古屋市立大学)